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『 山陰観光活性化の切り札 』

吉田勝美

 山陰線、因美線の高速化事業は終了したと思っていた。ところが本紙2月9日付「伯備線フリーゲージトレイン」の記事によると、国交省幹線鉄道課は出雲−新大阪の標準的な所要時間は3時間半と、できるだけ早く実用化を目指す意向というのには驚いた。

 今、高速道「姫鳥線」活用の期待項目の1位は「観光」であ り、県内外で観光客の誘致宣伝が盛んだが、問題は観光客の交通手段だ。開通後は関西とは2時間半で結ばれると得意そうに言うが、しょせん現存の鉄道と同じだ。

 関西ばかりではなく人口の多い中部、関東からの観光客(特に高齢者)を対象に、しかも山陰地方は時間的に遠い”辺境”という従来の暗いイメージを一掃せねばならない。 

  それには山形、秋田などと同様に鉄道の時間短縮、つまり新幹線の導入が必要不可欠である。そこで既存の鉄道を利用するとなれば伯備線ばかりでなく当然新幹線相生駅から智頭−因美山陰線ルートを無視することはできず、その適否が検討されるべきだ。

 仮に適とされフリーゲージトレイン(軌間可変電車)の新型車両が導入される と出雲−新大阪3時間25分、米子−新大阪2時間43分、鳥取−新大阪1時間45分と大幅な時間短縮が実現する。このルートは走行距離、所要時間、工事経費、運賃、観光客数、快適性、車窓風景、経済効果などすべての面で優れている。 

 伯備線の線型改良工事経費に約610億円が見込まれるが、わずか12分の時間短縮に過ぎない。一方このルートは、電化工事、軌道強化などの経費約350億円(本紙の智頭線、因美線の電化工事費積算170億円参照)と推測され割安である。

 観光で生きる県内観光地、温泉地、企業、県民にとってこのルートの適否はまさに死活問題である。このルートは山形・秋田新幹線(つばさ、こまち)で有名な第3セクター黒字一位の北越急行(はくたか号)と比較しても決して見劣りせず、全国有名電車の一つに加わるのは必死だ。またいよいよ本格化した道州制の今後の動きにもよい影響を与えてくれる。

 山陰観光の活性化のため県内自治体はじめ、観光業者、商業者、企業などあらゆる関係者は、総力を結集してこのルートの実現に向け、早急に中央に働き掛けていただくことを切望する。

本文は日本海新聞2006年(平成18年)4月19日(水)より抜粋したものです。

●『山陰線高速化』の参考文献リンク

●『山陰線電化』の参考文献リンク

● NPOホームページ